本を読むのが億劫になったら|人生後半の読書をもう一度楽しむ工夫

本を読むのが億劫になったら、読書をやめなくてもいい

以前はよく本を読んでいたのに、最近は本を開くこと自体が少し億劫になってきた。

そんな変化を感じることはないでしょうか。

本を読み始めても、なかなか内容が頭に入らない。

数ページ読むと目が疲れる。

以前なら気にならなかった文字の小ささが、今は気になる。

そして、「昔はもっと本を読めたのに」と思ってしまう。

人生後半になると、こうした変化は決して珍しいことではありません。

ただ、私は「本が読めなくなった」と考える必要はないと思っています。

読むための体も、暮らしの環境も、若い頃とは変わってきます。

だったら、読書の仕方も今の自分に合わせて変えていけばいい。

私自身も、長年本に親しんできた中で、そんなふうに考えるようになりました。

私が本屋で立ち読みをしていた頃

若い頃の私は、時間があると本屋に入っていました。

喫茶店に入って時間を過ごすというより、本屋に入って、いろいろな本を眺めていることのほうが好きだったのです。

特に目的がなくても、本屋へ行けば何か面白い本が見つかる。

棚を眺めて、気になった本を手に取る。

そして、その場で少し立ち読みをする。

そんな時間が、私は好きでした。

本を買うことだけが目的ではありません。

本屋にいることそのものが楽しかったのだと思います。

ところが、50代を過ぎた頃から、少しずつ変化が出てきました。

本屋で立ち読みをしていると、文字を追うことがしんどくなってきたのです。

老眼です。

若い頃には何でもなかった文字が、だんだん見づらくなってきました。

すると、それまで楽しみだった「本屋に入って、立ち読みをする」という行為が、少しずつ億劫になっていきました。

これは、本が嫌いになったわけではありません。

本を読みたい気持ちはあるのに、読むという行為に少し負担を感じるようになったのです。

人生後半の読書を考えるとき、私はこの違いが大切だと思っています。

「本を読まなくなった」のではなく、読む環境が変わった

今は、以前とは読書を取り巻く環境そのものが変わりました。

ネットで本を探すことができます。

電子書籍なら、本屋まで出かけなくてもすぐに読めます。

文字を大きくすることもできます。

重たい本を持ち歩く必要もありません。

私自身も、こうした便利さを実感しています。

「本屋まで行かなければ本が読めない」という時代ではなくなりました。

これは人生後半の読書にとって、大きな助けになると思います。

老眼などで紙の本が読みづらくなったとしても、文字の大きさを調整できるデジタルなら、以前より楽に読める場合があります。

だから私は、デジタルで本を読むことを否定するつもりはありません。

むしろ、便利なものは上手に使えばいいと思っています。

ただ、その一方で、最近あらためて感じることがあります。

それは、紙の本に触れる時間も大切なのではないかということです。

紙の本には、文字以外にも楽しさがある

紙の本を手にすると、まず目で文字を追います。

ページをめくると、紙が動きます。

そこには、紙の手触りがあります。

ページをめくる音もします。

考えてみると、本を読むという行為は、単に目から文字情報を取り入れているだけではありません。

紙に触れる。

ページをめくる。

一つ一つ目で文字を追っていく。

本の厚みを感じる。

ページが残り少なくなっていくことを感じる。

そうした一つ一つの感覚も含めて、私は「本を読む」という時間なのではないかと思うようになりました。

もちろん、紙の本を読めば必ず視覚や聴覚が特別に活性化する、といったことを言いたいわけではありません。

私自身が紙の本を手に取ってみて感じるのは、デジタルとは違う「本そのものを感じながら読む時間」があるということです。

これは、長い間本を読んできたからこそ、今になって気づいたことなのかもしれません。

紙の本を読む時間は、小さなデジタルデトックスにもなる

デジタルで本を読めることは、本当に便利です。

けれども、スマートフォンやタブレットで読んでいると、どうしても他の情報が目に入ります。

通知が来る。

メールが気になる。

ニュースが目に入る。

ちょっと別のことを検索してしまう。

本を読んでいたはずなのに、いつの間にか別の情報を見ていた。

そんな経験もあるのではないでしょうか。

紙の本なら、少なくとも本を開いている間は、そこにある一冊の本と向き合いやすくなります。

ページをめくり、文字を追う。

それだけの時間です。

私は、これが今の時代には意外と大切なのではないかと思っています。

デジタルを使わない生活に戻る必要はありません。

便利なものは便利なものとして使えばいい。

そのうえで、時にはスマートフォンから少し離れて、紙の本を手に取る。

私にとっては、それも一つの小さなデジタルデトックスになっています。

人生後半の読書は「全部覚える」必要はない

本を読んでも内容が頭に入らないと感じると、「記憶力が落ちたのかな」と考えてしまうことがあります。

でも、私は読書の価値を「どれだけ覚えているか」だけで決めなくてもいいと思っています。

一冊の本を読んで、全部の内容を覚えている必要はありません。

一つの文章が心に残った。

一つの考え方が面白かった。

知らなかったことを一つ知った。

読んだことで、誰かと話したくなった。

それだけでも、本を読んだ意味はあると思います。

若い頃は、「せっかく読むのだから、ちゃんと理解しよう」と思っていたかもしれません。

しかし、人生後半になると、読書の目的を少し変えてもいい。

「覚えるために読む」のではなく、「楽しむために読む」。

そう考えると、本を読むことへのハードルも少し下がります。

最後まで読まなくてもいい。今の自分に合う読み方を探す

本は最初から最後まで読まなければいけない。

そんな思い込みも、少し手放していいと思います。

今日は数ページだけ読む。

面白い章だけ読む。

途中まで読んで、別の本に変える。

同じ本を何日もかけて読む。

一度読んだ本を、何年か後にもう一度読む。

どれも読書です。

人生後半になると、自分の時間をどう使うかも大切になってきます。

面白くない本を「買ったのだから最後まで読まなければ」と頑張るより、今の自分が読みたい本を選んだほうがいい。

若い頃には面白かった本が、今はそれほど面白く感じないこともあります。

逆に、若い頃には理解できなかった本が、今になって面白く感じることもあります。

それは、自分自身が変わってきたからでしょう。

だから、読書の仕方も変わっていい。

老眼が気になるなら、読むための環境も整えてみる

本を読むのが億劫になったとき、「自分の読書への興味がなくなった」と決めつける前に、読む環境を見直してみるのもいいでしょう。

例えば、文字が小さすぎない本を選ぶ。

十分に明るい場所で読む。

無理に長時間読まない。

必要であれば読書用の眼鏡などを利用する。

紙の本が読みづらいときには、電子書籍で文字を大きくして読む。

逆に、目が楽なときには紙の本を読む。

このように、紙とデジタルを対立させる必要はありません。

「今の自分にとって読みやすい方法を選ぶ」

それでいいのだと思います。

読書を続けるために必要なのは、昔の自分と同じように読むことではありません。

今の自分が無理なく楽しめる方法を見つけることです。

読書は「何を得たか」だけでなく、その時間を楽しむもの

私は若い頃、本屋に入って立ち読みをする時間が好きでした。

本を探している時間も、本を手に取っている時間も楽しかった。

50代を過ぎて老眼が気になり始め、本屋で立ち読みをすることが少しつらくなりました。

そして今は、ネットで本を読める便利さも知っています。

それでも、改めて紙の本を手にすると、やっぱりいいなと思うことがあります。

紙の手触り。

ページをめくる音。

一つ一つ目で文字を追っていく時間。

そうした感覚まで含めて、私は読書を楽しんでいるのだと思います。

本の内容を全部覚えていなくてもいい。

一冊を最後まで読み切らなくてもいい。

紙でもデジタルでもいい。

そのときの自分に合った方法で、本と付き合えばいい。

人生後半だからこそ、読書を「知識を増やすための作業」にしなくてもいいのではないでしょうか。

静かに本を開く。

ページをめくる。

知らない世界に触れる。

そして、ほんの一つでも心に残るものがあれば、それで十分です。

「昔より本が読めなくなった」と感じたときは、読書をやめるのではなく、今の自分に合う読み方を探してみる。

私もこれからは、デジタルの便利さを使いながら、ときには紙の本を手に取って、その時間そのものを楽しみたいと思っています。

人生後半の読書は、たくさん読むことよりも、一冊との時間を楽しむこと。

そんな読書があってもいいのではないでしょうか。

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この記事を書いた人

70’spapa

43年間、整体の現場で多くの人生に寄り添う中で、 体だけではなく、心や暮らし、人とのつながりが人生を支えることを学んできました。

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