定年後に生活リズムが乱れたら|70代から見直したい一日の時間の使い方

定年後、生活リズムが変わったと感じたら

定年を迎えてから、「なんとなく毎日のリズムが変わった」と感じることはないでしょうか。

朝起きる時間が少し遅くなった。

昼間にすることがなく、テレビを見ている時間が増えた。

外へ出る機会が減った。

夜になっても、以前ほど自然に眠くならない。

こうした変化は、一つひとつを見ると、それほど大きな問題には感じないかもしれません。

けれども、人生後半の暮らしでは、こうした小さな変化が重なって、一日の過ごし方そのものが変わっていくことがあります。

私は、生活リズムというと「何時に起きるか」「何時に寝るか」という時間だけを考えがちですが、それだけではないと思っています。

一日の中で、どのくらい動いているのか。

どのくらい外へ出ているのか。

人や社会との接点がどのくらいあるのか。

こうしたことも、生活リズムを作っている大切な要素です。

特に定年後は、これまで自然にできていた「動く理由」がなくなることがあります。

そこに気づかないまま毎日を過ごしていると、体の使い方まで少しずつ変わっていくことがあります。

会社に通っていたころは、意識しなくても体を動かしていた

会社勤めをしていたころを思い出してみてください。

「今日は運動しよう」と考えていなくても、毎日の中には意外とたくさんの「歩く」がありました。

自宅から駅まで歩く。

駅の階段を上り下りする。

電車を乗り換える。

会社の中を移動する。

昼休みに外へ出る。

仕事帰りに買い物をする。

もちろん、人によって生活は違います。

それでも、会社へ通うという一つの目的があることで、毎日の中に自然と体を動かす行動が組み込まれていたのではないでしょうか。

大切なのは、それを「運動」として意識していなかったことです。

通勤するために歩いていた。

仕事をするために動いていた。

用事があるから外へ出ていた。

つまり、生活そのものが体を動かす仕組みになっていたわけです。

ところが、定年を迎えると、その仕組みが一気に変わります。

毎朝決まった時間に家を出る必要がなくなり、以前なら必ず歩いていた道を歩くこともなくなります。

「運動不足になったから運動しなければ」と思っていなくても、結果として一日の活動量が減っていることがあります。

定年後に減るのは「仕事」だけではなく、動く機会かもしれない

定年後の生活を考えるとき、仕事がなくなることによる時間の変化には気づきやすいものです。

しかし、私が大切だと思うのは、仕事と一緒に「体を動かす機会」まで減っていないかということです。

会社へ行かなくなれば、当然、通勤はなくなります。

仕事のための移動も減ります。

昼休みに外へ出る必要もなくなります。

人と会うために出かける機会も少なくなるかもしれません。

その結果、家の中で過ごす時間が増えていきます。

これは決して悪いことではありません。

長い間働いてきたのですから、家でゆっくり過ごす時間があっていいと思います。

問題なのは、「休む時間」が増えたことではなく、「動く時間」まで一緒に減ってしまうことです。

そして、この変化は毎日少しずつ起こるので、自分では意外と気づきにくいものです。

「あれ?」と感じるのは、生活の変化に気づく大切な瞬間

では、自分の活動量が減っていることには、いつ気づくのでしょうか。

毎日の生活の中では、なかなか分かりません。

ところが、ある日たまたま長い時間歩いたときに、

「あれ、こんなに疲れたかな」

と感じることがあります。

あるいは、家の片づけをしていて、いつもより長い時間動いていたときに、体の重さを感じることもあります。

立ち上がるときに、以前は言わなかった「よいしょ」が出てくる。

「どっこいしょ」と言うことが増えてくる。

長く歩いたあとに、以前より疲れを感じる。

こうした変化は、とても小さなものです。

だからこそ、私はこういう「あれ?」という感覚を大切にしてほしいと思っています。

それは、年齢を嘆くためのものではありません。

自分の生活が以前とは少し変わってきたことに気づく、きっかけになるからです。

気づいた変化を「年だから」で終わらせない

人生後半になると、体の変化が出てくるのは自然なことです。

だからといって、何でも「年だから仕方がない」と片づけてしまう必要はありません。

むしろ、何か変化を感じたときに、

「最近、あまり外へ出ていないな」

「以前より歩くことが減っているな」

「座っている時間が長くなったな」

と、自分の生活を振り返ってみることが大切だと思います。

体力が落ちたことだけを見るのではなく、体力が落ちるような生活になっていないかを見るわけです。

ここは、とても大事なところです。

「体力が落ちたから運動しよう」と考えるだけではなく、

「そもそも以前は、どうして毎日これだけ動いていたのだろう」

と考えてみる。

すると、通勤だったり、仕事だったり、人との付き合いだったり、買い物だったり、さまざまな「動く理由」があったことに気づくかもしれません。

生活を変えるときは、大きな運動から始めなくてもいい

では、活動量が減っていると気づいたら、どうすればいいのでしょうか。

私は、いきなり激しい運動を始める必要はないと思っています。

まずは、これまでの生活にあった「自然に動く機会」を少し取り戻してみることです。

たとえば、買い物を近所ですませるだけでなく、少し歩いて行ってみる。

天気のよい日は、短い時間でも外へ出てみる。

家の中でも、長時間座り続ける時間を少し減らしてみる。

片づけや掃除など、日常生活の中で体を動かすことを意識してみる。

「運動」という言葉にすると、どうしても構えてしまいます。

しかし、人生後半の体に必要なのは、必ずしも特別な運動だけではありません。

毎日の暮らしの中で、体を使う時間を少しずつ取り戻す。

そんな考え方でもいいのではないでしょうか。

「気づいたら変える」という意識を持っておきたい

私は、体の変化というのは、気づいたときが一つのタイミングだと思っています。

「どっこいしょ」が出てきた。

長く歩くと疲れるようになった。

以前より外へ出なくなった。

一日の大半を座って過ごすようになった。

こうした傾向が見えてきたら、そこで一度、自分の生活を見直してみる。

それを「気づかなかったこと」にしてしまわないことです。

もちろん、一度気づいたからといって、すぐに生活を大きく変えられるわけではありません。

それでも、

「少し歩こう」

「今日は外へ出よう」

「もう少し体を動かそう」

と意識するだけでも、これまでとは違う選択ができるようになります。

大切なのは、何かを一気に頑張ることではなく、自分の体の変化に気づいたら、自分の生活も少し変えていくことだと思います。

生活リズムは「時計」だけではなく「体のリズム」でも考える

生活リズムというと、朝起きる時間や夜寝る時間を整えることを思い浮かべます。

もちろん、それも大切です。

でも、人生後半の生活では、それだけではなく、

「朝から体を使ったか」

「外へ出たか」

「歩いたか」

「人と話したか」

「座っている時間が長くなりすぎていないか」

ということにも目を向けてみてほしいと思います。

一日の中に、起きる、動く、休む、食べる、外へ出る、人と関わる、眠るという流れがある。

そう考えると、生活リズムとは単なる時計の問題ではなく、体と暮らしのリズムなのだと分かります。

定年後の時間は「減ったもの」ではなく、自分で作り直せる時間

定年後は、それまで当たり前だった生活が変わります。

だからこそ、以前と同じ生活をそのまま続けることが難しくなるのも当然です。

でも、それは悪いことばかりではありません。

会社へ行く必要がなくなったことで、自分のために使える時間が増えたとも言えます。

問題は、その時間をどう使うかです。

「今日は何も予定がないから、ずっと家にいる」

という日があってもいい。

ただ、それが何日も続くようなら、一日の中に少しだけ「動く予定」を入れてみる。

外へ出る理由を一つ作る。

誰かと会う予定を入れる。

少し歩いて買い物へ行く。

家の中の片づけをする。

そうやって、自分の生活に新しいリズムを作っていけばいいのだと思います。

定年後の時間は、会社から与えられる時間ではありません。

これからの自分が、自分で使い方を選んでいく時間です。

だからこそ、体を動かすことも、休むことも、人と関わることも、自分の今の体に合わせて組み直していけばいい。

「あれ?」に気づいたら、今日の暮らしを一つ変えてみる

人生後半の体は、ある日突然すべてが変わるわけではありません。

少しずつ歩く量が減る。

少しずつ外へ出なくなる。

少しずつ座る時間が増える。

そして、ある日ふと、

「あれ?」

と感じる。

私は、その小さな「あれ?」を大切にしてほしいと思っています。

それは、体が衰えたという宣告ではありません。

これからの暮らし方を、少し見直してみませんかというきっかけなのかもしれません。

気づいたことを、そのままにしない。

気づいたら、自分の生活を一つだけ変えてみる。

それを積み重ねていくことで、人生後半の体と暮らしのリズムは、もう一度、自分に合ったものへ整えていけるのではないでしょうか。

無理をする必要はありません。

今日、少し歩く。

少し外へ出る。

少し体を動かす。

そんな小さな一歩からでいいのです。

※生活リズムや体の変化には個人差があります。急な体調変化や強い症状がある場合は、自己判断で運動を始めず、医療機関など専門家に相談してください。

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この記事を書いた人

70’spapa

43年間、整体の現場で多くの人生に寄り添う中で、 体だけではなく、心や暮らし、人とのつながりが人生を支えることを学んできました。

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