定年後、趣味が見つからないのは珍しいことではありません
定年後、あるいは仕事の時間が少なくなってくると、これまでとは違った時間の使い方を考えるようになります。
「せっかく時間ができたのだから、何か趣味を見つけたほうがいいのかな」
そう思っても、すぐに夢中になれるものが見つかるとは限りません。
周りを見ると、旅行を楽しんでいる人もいる。スポーツを始めた人もいる。地域の活動に参加している人もいる。
そんな話を聞いているうちに、自分だけ何もしていないような気がすることもあるかもしれません。
しかし、趣味がすぐに見つからないことは、決して悪いことではありません。
むしろ、これまで仕事や家庭を中心に生活してきた人ほど、急に「あなたの好きなことは何ですか?」と聞かれても、すぐには答えられないものです。
これからの時間をどう過ごしたいのかを考えることは、焦って答えを出す必要のない問いなのだと思います。
「趣味を見つけなければ」と考えすぎない
趣味が見つからないとき、多くの人は「何か趣味を探さなければ」と考えます。
でも、その考え方が少し負担になっていることもあります。
趣味という言葉から、何か特別なものを想像してしまうからです。
毎週必ず参加する活動。
長年続けられるもの。
人に「これが私の趣味です」と言えるもの。
そんな立派な趣味を探そうとすると、なかなか見つかりません。
趣味は、最初から趣味だったわけではありません。
少し気になった。
一度やってみた。
思ったより楽しかった。
そんな小さなきっかけから、いつの間にか好きなことになっていく場合もあります。
ですから、まずは「趣味を探す」のではなく、少し気になることを見つけるくらいで十分ではないでしょうか。
「やってみたい」を小さく拾ってみる
自分に合った趣味を探そうとするとき、「何が好きか」を考えるのも一つの方法です。
しかし、それだけでは思い浮かばないこともあります。
そんなときは、過去を振り返ってみるのもよいでしょう。
例えば、こんなことです。
- 昔、一度やってみたいと思ったこと
- 仕事や子育てが忙しくてできなかったこと
- テレビや雑誌を見て少し気になったこと
- 人の話を聞いて「それは面白そうだ」と思ったこと
- 以前は好きだったけれど、いつの間にかやめてしまったこと
大切なのは、「本当に続けられるだろうか」と最初から考えすぎないことです。
続くかどうかは、やってみなければわかりません。
一度だけ試してみて、「これは違うな」と思ったなら、それも一つの発見です。
自分に合わないものを知ることも、次の「やってみたい」を探すための大切な経験になります。
新しいことを始めるのが億劫なときもあります
とはいえ、興味があるからといって、すぐに行動できるとは限りません。
「ちょっと気になる。でも、今さら始めてもいいのだろうか」
「知らない人の中に入るのは少し気が重い」
そんな気持ちになることも自然なことです。
特に、長年続けてきた生活のリズムがある人ほど、新しいことを始めるには少しエネルギーが必要です。
以前の記事「新しいことを始めるのが億劫になったら|人生後半の好奇心を取り戻す小さな一歩」でも書きましたが、大きな一歩を踏み出す必要はありません。
まずは、本を一冊読んでみる。
見学だけしてみる。
体験会に一度参加してみる。
インターネットで少し調べてみる。
その程度の小さな行動でも、「興味がある」という気持ちを確かめることができます。
趣味は「学び」から始まることもある
趣味と学びは、まったく別のものではありません。
例えば、歴史が好きで本を読み始める。
もっと知りたくなって、講座に参加する。
そこで同じ興味を持つ人と出会う。
最初は単なる興味だったものが、少しずつ生活の楽しみになっていくことがあります。
定年後に何かを学ぶと聞くと、資格取得や仕事に役立つことを想像する人もいるかもしれません。
しかし、これからの学びは「役に立つかどうか」だけで決める必要はないでしょう。
「もう少し知りたい」
「一度やってみたい」
そんな気持ちも、立派な学びの入り口です。
定年後の学びについては、「定年後に何を学ぶ?|これからの人生を豊かにする自分に合った学びの見つけ方」でも紹介しています。
趣味が見つからないときは、まず何かを深く楽しもうとするより、少し知ることから始めるのもよい方法です。
趣味が、人とのつながりを作ることもある
趣味は、一人で楽しむものだけではありません。
同じことに興味を持つ人との出会いが、新しい楽しみにつながることもあります。
もちろん、最初から「友人を作ろう」と考える必要はありません。
好きなことについて話す。
同じ場所に通う。
顔見知りになる。
そんな自然な関係の中から、少しずつつながりが生まれることがあります。
人生後半になると、新しい友人をつくることが難しいと感じる人もいます。
しかし、「友人を探す」ことを目的にするよりも、自分が楽しめる場所に出かけるほうが、自然な出会いにつながることもあります。
趣味は、楽しみそのものだけではなく、新しい世界を知るきっかけにもなるのです。
体を動かすことが趣味になる人もいる
趣味と聞くと、文化的な活動や習い事を思い浮かべる人も多いでしょう。
しかし、散歩や軽い運動も、生活の中で楽しみに変わることがあります。
最初は健康のために始めた散歩でも、季節の変化を見ることが楽しくなる。
いつもの道ではなく、少し遠くまで歩いてみたくなる。
歩いた先で新しい店を見つける。
健康のために始めたことが、いつの間にか暮らしの楽しみになっている。
趣味には、最初から明確な名前がついている必要はありません。
自分が心地よいと感じ、もう一度やってみたいと思えること。
それも、これからの人生を楽しむ大切な時間です。
70’spapaが思う「趣味を見つける」ということ
私は、長年多くの人と接する仕事をしてきました。
その中で感じるのは、人は「好きなことを見つけたから元気になる」というだけではないということです。
何かに興味を持つ。
少し外へ出てみる。
新しいことを知る。
誰かと話す。
そんな小さな変化が積み重なって、生活そのものが少し楽しくなっていくことがあります。
だから、「これが私の趣味です」とすぐに言えるものを見つける必要はないと思います。
今の自分が少し気になっていること。
以前からやってみたかったこと。
誰かの話を聞いて、少し心が動いたこと。
そんな小さな「やってみたい」を大切にしてみる。
そこから始まるものが、数年後には自分にとって大切な趣味になっているかもしれません。
趣味は「探すもの」ではなく、出会っていくものかもしれません
定年後、時間ができたからといって、すぐに夢中になれる趣味が見つかるわけではありません。
そして、それを焦る必要もありません。
大切なのは、毎日の中で少し気になったことを見過ごさないことです。
「これ、少し面白そうだな」
「一度やってみようかな」
そんな小さな気持ちを拾っていく。
趣味は、探して見つけるものというよりも、いろいろなことに触れる中で、少しずつ出会っていくものなのかもしれません。
これからの時間は、何かを上手に続けることだけが目的ではありません。
自分の心が少し動くことを見つける。
そして、できる範囲でやってみる。
その繰り返しが、これからの暮らしを少しずつ豊かにしてくれるのではないでしょうか。
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この記事を書いた人
70’spapa
43年間、整体の現場で多くの人生に寄り添う中で、 体だけではなく、心や暮らし、人とのつながりが人生を支えることを学んできました。
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