子どもが巣立った後の家|人生後半に残したい物と暮らしの整理

子どもが巣立って、家が広く感じるようになった

子どもが結婚して家を出ていくと、それまで暮らしていた家が、急に広く感じることがあります。

私の家もそうでした。

子どもがいた頃には、それぞれの部屋が必要でした。

家族で暮らしている間は、それが当たり前だったのです。

ところが、子どもが巣立った後は、その部屋を毎日のように使うことはありません。

家そのものは変わっていないのに、暮らし方だけが変わりました。

部屋はある。

でも、普段使っているのは、その一部です。

台所と居間。

そして必要な一部屋。

それくらいでも、日々の生活は十分に成り立ちます。

子どもが巣立った後の家を見ながら、「これから先も、この大きな家が必要なのだろうか」と考えるようになりました。

3階建ての家で、少しずつ負担に感じることも増えた

元の家は3階建てでした。

若い頃は、それほど気にならなかった家の中の移動も、年齢を重ねるにつれて、少しずつ感じ方が変わってきます。

家内がよく言っていたのが、洗濯のことでした。

1階で洗濯をして、それを3階まで持って上がって干す。

若い頃なら、毎日のことでもそれほど気にならなかったのかもしれません。

でも、年齢を重ねると、こうした小さな動作の積み重ねが負担になります。

洗濯そのものが大変なのではありません。

洗濯物を持って階段を上がる。

それを毎日のように繰り返す。

そう考えると、家というのは単に「何部屋あるか」だけでは決まらないのだと思います。

その家の中で、毎日どれだけ動くのか。

どこまで物を運ばなければならないのか。

そういうことも、暮らしやすさには関係してきます。

大きな家を手放して、小さなマンションへ

そこで私たちは、3階建ての家を手放して、小さなマンションへ引っ越すことにしました。

部屋数は、以前の家より2部屋ほど減りました。

数字だけを見れば、「狭くなった」と感じるかもしれません。

でも、実際に暮らし始めてみると、それほど困ることはありませんでした。

考えてみれば、子どもが家を出てから、たくさんの部屋を使っていたわけではありません。

普段使うのは、台所と居間。

そして、必要な一部屋くらいです。

部屋数が減ったことよりも、使っていない場所を持ち続けなくてよくなったことのほうが大きかったように思います。

洗濯が「平行移動」になっただけでも、とても楽だった

マンションに引っ越して、特に実感したのが洗濯でした。

以前は1階で洗濯をして、3階まで持って上がって干していました。

今は、洗濯をして、そのまま横へ移動して干す。

いわば「平行移動」です。

これが思っていた以上に楽でした。

階段を上がらなくていい。

洗濯物を持って家の中を移動しなくていい。

たったそれだけのことですが、毎日のことになると違いは大きいものです。

暮らしを考えるとき、私たちはつい「広い家のほうが便利」と考えがちです。

でも、実際に暮らしてみると、広さがそのまま便利さにつながるとは限りません。

今の自分たちに必要な動きが、無理なくできること。

それも住まいの大切な条件なのだと思います。

部屋が減っても、暮らしが寂しくなったわけではない

家を小さくすると、何となく暮らしまで小さくなるような気がするかもしれません。

私自身、引っ越す前には、そんな感覚がなかったわけではありません。

子どもたちがいた頃の家には、その頃の生活があります。

それぞれの部屋があり、家族が行き来していました。

その家を手放すということには、やはり寂しさがあります。

「あの頃は、あの家で暮らしていたな」と思うこともあります。

でも、その一方で、今の暮らしには今の暮らしがあります。

使う場所が少なくなった。

家の中の移動も楽になった。

毎日の生活がシンプルになった。

寂しくもあり、うれしくもある。

私にとっては、そんな引っ越しでした。

「持っている広さ」と「必要な広さ」は違う

子どもがいた頃は必要だった部屋も、子どもが巣立った後には必要なくなることがあります。

これは、以前の暮らしが間違っていたということではありません。

そのときには、その広さが必要だった。

ただ、家族の形が変われば、必要な広さも変わる。

それだけのことです。

物についても同じことが言えると思います。

以前は使っていた物。

子どもがいたから必要だった物。

「いつか使うかもしれない」と残している物。

そうした物を見ていると、「持っている物」と「これから使う物」は、同じではないことに気づきます。

人生後半の片づけを考えるとき、いきなり「何を捨てるか」と考える必要はないのかもしれません。

まず、「これからどんな暮らしをしたいのか」を考える。

そこから、必要な物を考えていく。

そのほうが、無理なく整理できるように思います。

人生後半に残したい物は、値段だけでは決められない

では、これからの暮らしに残したい物とは、どんな物でしょうか。

高価な物とは限りません。

今でも使っている物。

これからも使いたい物。

長い間使ってきて、自分にとって意味がある物。

家族との思い出が残っている物。

見ていると、何となく自分らしいと思える物。

そういう物には、それぞれの価値があります。

逆に、高価だったとしても、何年も使っていない物なら、これからの暮らしに本当に必要なのかを考えてみてもいい。

以前、私は「捨てる」ことからではなく、「これから残したい物」を考えることから片づけを始めてもいいのではないか、という話を書きました。

人生後半の片づけは「捨てる」から始めない|これから残したい物の選び方

今回の引っ越しでも、まさにそうでした。

物を減らすことが目的ではありません。

これからの暮らしに必要な物を選んだ結果、自然に持ち物も変わっていったのです。

「いつか使う」より「これから使いたい」で考える

物を整理するとき、つい「いつか使うかもしれない」と考えてしまいます。

それは悪いことではありません。

これまでの人生では、本当に「いつか必要になる物」があったからです。

でも、人生後半になって暮らし方が変わってきたら、

「これから使いたいか」

という視点を持ってみてもいいと思います。

子どもがいた頃と、子どもが巣立った後では、必要な物が変わります。

大きな家で暮らしていた頃と、今の小さなマンションでも、必要な物は変わります。

それは、過去を否定することではありません。

これまでの暮らしを大切にしながら、これからの暮らしに合わせて選び直すことです。

家を小さくすると、残したい物も見えてくる

家が小さくなると、何を残すかを考える機会が増えます。

でも、それは「たくさん捨てなければならない」ということではありません。

むしろ、自分にとって大切な物が分かりやすくなります。

何となく置いていた物。

何年も使っていない物。

昔は必要だったけれど、今は使わなくなった物。

そうした物を一つずつ見ていくと、

「これは、これからも使いたい」

「これは、もう十分役目を果たした」

と、少しずつ判断できるようになります。

家を小さくするというのは、物を減らすためだけの選択ではありません。

これからの暮らしに、本当に必要なものを見つけるきっかけにもなるのだと思います。

家が小さくなっても、人生まで小さくなるわけではない

大きな家を手放して、小さなマンションへ移りました。

部屋数も減りました。

でも、暮らしそのものが小さくなったとは感じていません。

むしろ、今の自分たちに必要なものが分かりやすくなりました。

洗濯も楽になりました。

使う部屋も少なくなりました。

家の中を行ったり来たりすることも減りました。

そして、以前よりも「今の暮らし」に目を向けるようになった気がします。

人生後半になると、物だけではなく、時間や人との関わり方についても、「これから何を大切にするのか」を考えるようになります。

以前、私は「物・時間・人」という3つの視点から、これからの人生で何を大切にするかについて書きました。

これからの人生で何を大切にする?|人生後半に「物・時間・人」を整理する

住まいも、物も、時間も。

これからの自分たちに必要なものを、自分たちで選んでいく。

それは、人生を小さくすることではなく、今の自分たちに合った暮らしへ整えていくことなのだと思います。

これからの暮らしに必要な物を、自分で選んでいく

子どもが巣立って家が広く感じるようになった。

使わない部屋が増えた。

家の中の移動が少し負担になってきた。

そんな変化があったとき、昔と同じ暮らしを続けなければならないわけではありません。

家を小さくする。

持ち物を見直す。

使う場所を減らす。

暮らしをシンプルにする。

どれも、「何かを諦める」ということとは違います。

これからの自分たちに必要なものを、もう一度選び直すことです。

私自身、3階建ての家から小さなマンションへ移ってみて、それを実感しました。

家は小さくなりました。

でも、暮らしまで小さくなったわけではありません。

むしろ、今の私たちには、このくらいがちょうどいい。

そんなふうに思えるようになりました。

これから先、何を残して、何を手放すのか。

急いで決める必要はないと思います。

今の自分たちの暮らしを見ながら、これからの生活に本当に必要なものを、少しずつ選んでいけばいいのだと思います。

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この記事を書いた人

70’spapa

43年間、整体の現場で多くの人生に寄り添う中で、 体だけではなく、心や暮らし、人とのつながりが人生を支えることを学んできました。

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