これからの人生で、何を大切にしたいのか
人生後半になると、若い頃とは少し違ったことを考えるようになります。
「これから先、何を大切にして暮らしたいのだろう」
「今までと同じように、いろいろなことを続けていく必要があるのだろうか」
私自身も、年齢を重ねるにつれて、そんなことを考える機会が増えてきました。
若い頃は、物が増えていくことも、予定が増えていくことも、人とのつながりが広がっていくことも、それほど気になりませんでした。
むしろ、たくさん持っていること、たくさん知っていること、たくさんの人と付き合っていることが、豊かさにつながっているように感じていたのだと思います。
でも、人生後半になると、少し見方が変わってきます。
これからの時間には限りがある。 だからこそ、「何を増やすか」だけではなく、「何を残すか」「何を手放すか」を考えることも大切になってくるのではないでしょうか。
人生後半は「物・時間・人」を一度整理してみる
人生を整理すると聞くと、終活や片づけを思い浮かべる人もいるでしょう。
もちろん、それも大切なことです。
ただ、私は人生後半の整理は、物だけではないと思っています。
「物」「時間」「人」。
この3つを一度見直してみると、これから自分が何を大切にしたいのかが、少し見えてくることがあります。
物は「捨てる」より「残したいもの」を考える
家の中を見渡すと、長い人生の中で集まった物がたくさんあります。
使っていない物もあれば、思い出が詰まっていて簡単には手放せない物もあります。
そんなとき、「何を捨てるか」だけを考えると、片づけが少し苦しくなることがあります。
私は、まず「これからも残したいものは何だろう」と考えてみるのがいいと思っています。
これからも使いたい物。
大切な思い出として残したい物。
これからの暮らしに必要な物。
そうやって残したいものを先に考えると、結果として、手放してもいいものが見えてくることがあります。
以前の記事でも、人生後半の片づけは「捨てる」から始めなくてもいい、ということを書きました。
人生後半の片づけは「捨てる」から始めない|これから残したい物の選び方
片づけは、物を減らすことそのものが目的ではありません。
これからの自分に必要なものを選び直すこと。
そう考えると、少し気持ちが楽になります。
時間は「空いている時間」ではなく「大切にしたい時間」を考える
定年を迎えると、仕事をしていた頃より自由な時間が増える人もいます。
ところが、時間が増えたはずなのに、
「気がついたら一日が終わっていた」
ということもあります。
私も、時間があることと、その時間を自分らしく使えていることは、別のことだと感じています。
そこで考えてみたいのが、
「私は、どんな時間を大切にしたいのか」
ということです。
朝の静かな時間かもしれません。
好きな本を読む時間かもしれません。
散歩をする時間かもしれません。
家族と話す時間かもしれません。
あるいは、何もしない時間が大切だという人もいるでしょう。
人生後半では、予定を埋めることよりも、自分にとって心地よい時間を残しておくことが大切なのかもしれません。
定年後の時間の使い方については、こんな記事もあります。
定年後の朝をどう過ごす?|人生後半の一日を気持ちよく始める習慣
人は「増やす」より「心地よい関係」を考える
人生後半になると、以前より知り合いが減ったと感じることがあります。
仕事を離れれば、職場で毎日のように顔を合わせていた人たちと会う機会も少なくなります。
でも、それを「人間関係が減った」とだけ考えなくてもいいと思います。
これからは、付き合う人の数よりも、自分にとって心地よい関係を残していくことが大切になるからです。
たくさんの人と無理に付き合わなくてもいい。
話していて安心できる人。
たまに会うだけでも自然でいられる人。
何かを一緒に楽しめる人。
そんな関係が少しあれば、それだけでも人生は豊かになります。
反対に、付き合うことが負担になっている関係があれば、少し距離を置くことも悪いことではありません。
以前、友達づきあいについても書きました。
友達づきあいに疲れたら|人生後半に大切にしたい無理のない距離感
人生後半の人間関係は、「増やす」ことよりも「整える」こと。
私は、そんな考え方があってもいいと思っています。
「やりたいこと」が変わってもいい
人生後半になると、若い頃に好きだったことが、今はそれほど楽しく感じられないこともあります。
昔は仕事が生きがいだった。
昔は休日になると必ず出かけていた。
昔は夢中になっていた趣味があった。
でも、今の自分には少し違う。
そんなこともあります。
私は、それを「自分が変わってしまった」と考えなくてもいいと思います。
人は年齢とともに変わります。
体力も変われば、興味も変わる。
人との付き合い方も変われば、大切にしたい時間も変わる。
だから、これからの人生で大切にしたいものも変わって当然です。
むしろ、今の自分に合わなくなったものを無理に続けるより、今の自分が「ちょっとやってみたい」と感じることを大切にしてみる。
それも人生後半の楽しみ方の一つだと思います。
終活は「人生を終える準備」だけではない
終活という言葉から、「人生の最後に向けて準備すること」と考える人も多いと思います。
もちろん、もしものときに家族が困らないよう、必要な情報を整理しておくことは大切です。
でも、終活をそれだけに限定する必要はないのではないでしょうか。
物を整理する。
大切な書類を分かるようにする。
家族に伝えたいことを考える。
そうしたことを始めると、自然に、
「では、これから私はどう暮らしたいのだろう」
という問いも出てきます。
私は、終活には「終わりを考える」という面だけではなく、残りの時間をどう過ごすかを考える面もあると思っています。
だからこそ、終活を始めることは、必ずしも暗いことではありません。
「全部大切」にしなくてもいい
若い頃は、いろいろなものを大切にしていても、それほど困らなかったかもしれません。
仕事も大切。
趣味も大切。
付き合いも大切。
家族も大切。
もちろん、どれも大切です。
でも、時間や体力には限りがあります。
だから人生後半では、「全部を同じように大切にしなくてもいい」と私は思っています。
今の自分にとって、特に大切なものは何か。
これからも残したいものは何か。
逆に、少し手放してもいいものは何か。
一度こうしたことを考えてみるだけでも、暮らしの見え方が変わってきます。
大切なものが分かると、暮らしが少し軽くなる
人生後半の整理は、何かを減らすことだけが目的ではありません。
大切なものが分かれば、それ以外のことに無理に時間や気持ちを使わなくてもよくなるからです。
物を整理すれば、家の中が少し軽くなる。
時間を整理すれば、一日の過ごし方が少し軽くなる。
人との関係を整理すれば、心が少し軽くなる。
そして、その余白に、自分が本当に大切にしたいものを置いていく。
私は、それが人生後半の「整える」ということなのではないかと思っています。
これからの人生を、自分で選び直してみる
人生後半になると、「もう今さら変えられない」と思ってしまうことがあります。
でも、私はそうは思いません。
これまでの人生を変えることはできなくても、これからの時間の使い方は、少しずつ選び直すことができます。
何を残すのか。
何を手放すのか。
誰と過ごすのか。
どんな時間を大切にするのか。
何を学び、何を楽しむのか。
こうしたことを考えることは、人生を大きく変えるというより、これからの暮らしの方向を少し整えることなのだと思います。
まずは一つだけ、見直してみる
「人生後半を整理しよう」と考えると、大きなことを始めなければならないように感じます。
でも、そんな必要はありません。
今日は引き出しを一つ整理してみる。
明日は、自分が大切にしたい時間を一つ考えてみる。
その次は、最近会っていないけれど、また話してみたい人を一人思い浮かべてみる。
そんな小さなところからで十分です。
以前の記事で、エンディングノートについても書きました。
エンディングノートは何から書く?|人生後半の今を整理する始め方
ノートに書いてみることで、自分が大切にしたいものが見えてくることもあります。
「これから」を考えることは、今を大切にすること
人生後半の整理というと、どうしても「減らす」ことに目が向きます。
物を減らす。
予定を減らす。
付き合いを減らす。
でも、本当の目的は減らすことではないと思います。
これからの人生で、本当に大切にしたいものを見つけること。
そのために、必要のなくなったものを少し手放す。
空いた時間を、自分が大切にしたいことに使う。
無理のない人間関係を残していく。
そうして少しずつ暮らしを整えていくと、人生後半は「失っていく時間」ではなく、自分で選び直していく時間にもなります。
私自身も、これから先、何を大切にしていきたいのかを時々考えながら暮らしていきたいと思っています。
物も、時間も、人とのつながりも、ずっと同じでなくていい。
その時の自分に合う形に、少しずつ整えていけばいい。
これからの人生で何を大切にするのか。
その答えは、誰かに決めてもらうものではありません。
今の自分を見つめながら、自分で少しずつ選んでいけばいいのだと思います。
人生後半は、何かを諦める時期ではなく、これからの自分に必要なものを選び直す時期。
私は、そんなふうに考えています。
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この記事を書いた人
70’spapa
43年間、整体の現場で多くの人生に寄り添う中で、 体だけではなく、心や暮らし、人とのつながりが人生を支えることを学んできました。
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