エンディングノートは、何から書けばいいのか
「そろそろエンディングノートを書いてみようかな」と思っても、最初の一ページで手が止まってしまう人は少なくないと思います。
名前や住所を書くところから始めるのか。
財産について書くのか。
家族へのメッセージを書くのか。
それとも、自分の人生を振り返るところから始めるのか。
項目がたくさんあるほど、「何から書けばいいのか分からない」となってしまいます。
私自身、人生後半になって考えるようになったのは、エンディングノートは最初から全部埋めなくてもいいということです。
むしろ大切なのは、ノートを完成させることではありません。
今の自分が何を大切にしていて、これからどう暮らしていきたいのかを、一度立ち止まって考えてみること。
そこから始めてもいいのだと思います。
エンディングノートは「最後のため」だけのものではない
エンディングノートという名前から、「人生の最後に必要なことを書くノート」というイメージを持つ人もいるでしょう。
もちろん、もしものときに家族が困らないよう、必要な情報を整理しておくことには意味があります。
でも、それだけではありません。
私はエンディングノートを、これからの自分の暮らしを考えるためのノートとして使ってもいいと思っています。
これまで何を大切にしてきたのか。
これから何を大切にしたいのか。
どんなものを残したいのか。
誰に何を伝えておきたいのか。
そんなことを考えるだけでも、自分の今が少し見えやすくなります。
「終活を始めなければ」と身構える必要はありません。
今の暮らしを整理するために、ノートを一冊使ってみる。
それくらいの気持ちから始めてもいいのではないでしょうか。
最初に書きやすいのは「今の自分」のこと
何から書けばいいか迷ったら、私は難しいことから始めないことをおすすめします。
まずは、今の自分について書いてみます。
例えば、
- 今どんな暮らしをしているか
- 今、気になっていることは何か
- これからやってみたいことは何か
- 大切にしている人は誰か
- これからも続けたいことは何か
このくらいなら、書けることがあるのではないでしょうか。
立派な文章にする必要もありません。
箇条書きでもいい。
思いついたことを一言だけ書いてもいい。
エンディングノートは作文ではありませんから、きれいに書く必要はありません。
「何を残したいか」を考えてみる
人生後半になると、物を整理する機会も増えてきます。
でも、片づけというと「何を捨てるか」に目が向きやすいものです。
私は、それだけでは少しもったいないと思っています。
むしろ、
「これからも残したいものは何だろう」
と考えてみる。
思い出の写真かもしれません。
長年使ってきた道具かもしれません。
家族からもらったものかもしれません。
あるいは、物ではなく、今の暮らしそのものかもしれません。
以前の記事でも、人生後半の片づけは「捨てる」から始めなくてもいいという考え方を書きました。
人生後半の片づけは「捨てる」から始めない|これから残したい物の選び方でも紹介しているように、残したいものを考えることは、これからの人生を考えることにもつながります。
お金や大切な情報は、別に整理してもいい
エンディングノートには、お金や契約などの情報を書くこともあります。
ただ、こうした情報は一度に全部まとめようとすると、かなり大変です。
銀行、保険、年金、税金、住まいなど、確認することがたくさんあるからです。
そこで、エンディングノートを書く前に、まず情報そのものを整理してみる方法もあります。
例えば、定年後に増えてきた書類を「お金」「年金・保険」「税金」「住まい・契約」などに分けてみる。
定年後に書類が増えて困ったら|お金と暮らしの情報を整理する方法でも書いたように、すべてを一度に処理するのではなく、「どこに何があるか分かる状態」を作ることから始めても構いません。
エンディングノートには、その整理した情報の場所を書いておくという方法もあります。
ノートにすべての情報を細かく書き写すことだけが正解ではありません。
家族に伝えておきたいことを書いてみる
エンディングノートを書く理由の一つに、「家族が困らないように」というものがあります。
でも、家族に伝えておきたいことは、財産や契約だけではありません。
自分が大切にしていること。
これからどうしていきたいか。
家族に感謝していること。
これまで言葉にする機会がなかったこと。
そんなことを書いてもいいのです。
家族に何を伝えておけばいいのか迷う場合は、まずノートを書く前に考えてみる方法もあります。
終活ノートの前に家族へ伝えたい3つのこと|不安を軽くする話し方でも、家族との対話について紹介しています。
ノートに書くことと、実際に家族と話すことは同じではありません。
書いてみたからこそ、「これは直接伝えておこう」と思うことが出てくるかもしれません。
「終活ノート」と「エンディングノート」は難しく考えなくていい
エンディングノートを書こうと思ったとき、専用のノートを買うところから始めなければならないと思う人もいるでしょう。
もちろん、市販のノートを使っても構いません。
でも、最初から一冊を完成させようとしなくてもいいと思います。
以前の記事、終活ノートは50代・60代から|もしもの時に困らない情報整理でも、人生後半の情報整理について考えています。
大切なのは、どんなノートを使うかより、必要な情報や自分の考えが分かる状態にしていくことです。
専用のノートに書いてもいい。
普通のノートでもいい。
パソコンやスマートフォンに整理してもいい。
自分にとって続けやすい方法を選べばいいのです。
一度に全部書こうとしない
エンディングノートを書くときに、一番避けたいのは「今日中に全部終わらせよう」とすることかもしれません。
書き始めると、思った以上に考えることが出てきます。
昔のことを思い出すこともあるでしょう。
家族について考えることもあるでしょう。
お金や契約について確認しなければならないこともあります。
だから、一日で完成させなくていい。
今日は「これからやりたいこと」だけ。
次の日は「家族に伝えたいこと」。
その次に「大切な情報」を整理する。
そんなふうに分けてもいいのです。
途中で書きたくなくなったら、そこでやめても構いません。
後から書き足せることも、エンディングノートの良さです。
書いている途中で「これから」を考えたくなる
エンディングノートを書いていると、不思議なことがあります。
「最後に何を残すか」を考えていたはずなのに、いつの間にか「これから何をしたいか」を考えているのです。
これまで大切にしてきたものを振り返る。
今の暮らしを見直す。
これからも続けたいことを考える。
そうすると、自分の人生で何を大切にしたいのかが、少しずつ見えてくることがあります。
それは、エンディングノートを書く大きな意味の一つなのかもしれません。
これからの人生で何を大切にする?|人生後半に「物・時間・人」を整理するという記事にもつながるところです。
人生後半は、持っているものを整理するだけではありません。
時間の使い方も、人との関わり方も、これから大切にしたいことも、少しずつ整理していく。
エンディングノートは、そのきっかけにもなるのだと思います。
エンディングノートは「完成」しなくてもいい
エンディングノートというと、すべての項目を埋めて完成させるものだと思ってしまいます。
でも、私は必ずしも完成していなくていいと思っています。
人生は変わります。
大切にしたいことも変わります。
家族との関係も、暮らし方も変わっていきます。
だから、書いた内容を何年か後に見直してもいい。
書き直してもいい。
途中まででもいい。
「今の自分はこう考えている」と残しておくだけでも、一つの意味があります。
大切なのは、完璧な一冊を作ることではありません。
自分の人生を一度立ち止まって見つめ、これからの暮らしを考える時間を持つこと。
そのためにエンディングノートを使ってみる。
そう考えると、もっと気軽に書き始められるのではないでしょうか。
最初の一ページは、今の自分のために
もし「エンディングノートは何から書けばいいのだろう」と迷っているなら、難しい項目から始めなくても大丈夫です。
まずは、今の自分が大切にしていることを一つ書いてみる。
これからやってみたいことを一つ書いてみる。
家族に伝えたいことを一つ書いてみる。
それだけでも、最初の一歩になります。
そして必要になったら、お金や契約、連絡先などの情報を少しずつ加えていけばいい。
人生後半の整理は、何かを急いで終わらせるためのものではありません。
今までを振り返りながら、これからを自分らしく過ごすための準備でもあります。
エンディングノートの最初の一ページは、「人生の最後」のためではなく、これからの自分のために書いてみる。
私は、そんな始め方があってもいいと思っています。
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この記事を書いた人
70’spapa
43年間、整体の現場で多くの人生に寄り添う中で、 体だけではなく、心や暮らし、人とのつながりが人生を支えることを学んできました。
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