「予定がない日」が増えたら、これからの時間を考えてみる
定年後、あるいは仕事の時間が少しずつ減ってくると、以前より「予定のない日」が増えることがあります。
現役の頃は、仕事に行く時間が決まっていて、会議があり、人と会い、帰宅する。
自分で予定を作らなくても、一日の大部分が自然に埋まっていました。
ところが、仕事の時間が減ると、急に自由な時間が増えます。
最初は「自由になってよかった」と思っていても、しばらくすると、
「今日は何をしようかな」
と考える日が増えてくる。
私は、この「予定がない」という状態を、必ずしも悪いことだとは思っていません。
むしろ、これまで誰かや仕事に決めてもらっていた時間を、これからは自分で使えるようになったということです。
問題は、予定がないことではありません。
自分の時間を、これから何に使いたいのか。
そこを考える機会が、人生後半には必要なのだと思います。
私には「定年」がない。でも、仕事の時間は少しずつ変えている
私自身は自営業なので、会社員のような「定年」はありません。
仕事を何歳で終えるという明確な区切りもありません。
ただ、若い頃と比べれば、仕事の時間や予約の入り方は少しずつ変わってきました。
以前なら仕事で埋まっていた時間が、少し空くようになる。
すると、その時間をどう使うかを考える必要が出てきます。
私は、これは自営業だから特別という話ではないと思っています。
会社を定年退職する人にとっても、仕事を続ける人にとっても、人生後半には「これまでと同じ時間の使い方ではなくなる時期」がやってくるからです。
定年後も再雇用で働く人もいます。
仕事を辞めて、悠々自適な生活を始める人もいます。
私のように、仕事を続けながら少しずつ仕事以外の時間を増やしていく人もいるでしょう。
形は違っても、大切なのは、その空いた時間を「ただ余った時間」にしないことなのだと思います。
定年は「終わり」ではなく、新しい区切りと考えてみる
私は「定年」という言葉を、仕事が終わることだけに限定して考えなくてもいいと思っています。
人生の中で、一つの区切りがついた。
そして、次の時間の使い方を考える時期が来た。
そう考えてもいいのではないでしょうか。
仕事を続ける人なら、仕事の量を少し調整する。
退職する人なら、それまで仕事に使っていた時間を別のことに振り分ける。
これまでできなかったことを始めるのもいいでしょう。
以前は好きだったけれど、仕事や家庭の事情でやめてしまったことを、もう一度やってみるのもいい。
定年は「何もしなくていい」という合図ではなく、「これからは、自分の時間をどう使うか考えていい」という新しい区切りなのかもしれません。
「悠々自適」でも、家にいるだけでは物足りない
定年後の生活というと、「悠々自適」という言葉をよく聞きます。
もちろん、家でゆっくり過ごす時間も大切です。
今まで仕事で忙しかったのですから、何もしない時間を楽しむことも必要でしょう。
ただ、私は家にいるだけの毎日が続くと、少し違うのではないかと思っています。
人間は、外へ出れば、何かを見ます。
誰かと会えば、何かを話します。
知らないものを見れば、少し考えます。
こうした小さな刺激が、日々の中にはあります。
反対に、家の中だけで一日が終わる日が続くと、時間は過ぎているのに、自分の中では何も起きていないように感じることがあります。
だから私は、人生後半ほど「外へ出る理由」を自分で作ることが大切だと思っています。
以前、定年後に知り合いが減ったと感じたときのことについても書きましたが、人とのつながりは、友達を無理に作ろうとするより、まず「人と会える場所」を持つことから始めてもいいのだと思います。
定年後に知り合いが減ったと感じたら|人生後半のつながりを作るきっかけ
人生後半は「外へ出る理由」を自分で作っていく
外へ出るといっても、大げさなことである必要はありません。
本屋へ行く。
少し遠くの店まで歩く。
図書館へ行く。
昔から気になっていた場所へ行ってみる。
誰かに会いに行く。
そんな小さなことで十分です。
「今日は予定がないから出かける」のではなく、
「これをするために、今日は出かけよう」
という理由が一つあるだけで、一日の感じ方は変わります。
その「理由」は、趣味でも、人とのつながりでも、学びでもいい。
まだ何をしたいのかわからないなら、まずは「少し気になること」を拾ってみるのもいいでしょう。
定年後に趣味が見つからない場合も、いきなり「一生続ける趣味」を探す必要はありません。
定年後に趣味が見つからない|人生後半の「やってみたい」を探す方法
一度やってみる。
合わなければやめる。
面白ければ、もう一度やってみる。
それくらいの軽さでいいと思います。
人と会うことは、予定を埋めるためだけではない
予定がない日を考えるとき、「予定を入れなければ」と考えてしまうことがあります。
でも、人と会うことは、単にカレンダーを埋めるためではありません。
人と話すと、自分では思いつかなかったことを聞くことがあります。
誰かの話を聞いて、「そんな考え方もあるのか」と思うこともあります。
逆に、自分が話すことで、自分の考えが整理されることもあります。
だから、人生後半の人とのつながりは、予定の数だけで考えなくてもいい。
一週間に何人と会ったかより、
「今日は誰かと話したな」
「久しぶりに外へ出たな」
と思える時間があることのほうが、私は大切だと思っています。
以前の記事でも、定年後に会話する機会が減ったときには、特別な友人を作ろうとするより、日常の中に会話が生まれる場所を少しずつ持つことを考えました。
定年後に人と話す機会が減ったら|人生後半の会話を自然に増やす方法
「新しく始める」だけでなく、「もう一度やってみる」
人生後半というと、「新しいことを始めなければ」と考える人もいるでしょう。
もちろん、新しいことを始めるのはいいことです。
でも、私はそれだけではないと思っています。
昔好きだったこと。
以前は続けていたこと。
仕事が忙しくなって、いつの間にかやめてしまったこと。
家庭の事情でできなかったこと。
そういうものを、もう一度やってみる。
それも人生後半の楽しみの一つです。
昔と同じようにできなくてもいい。
以前より上手にできなくてもいい。
「あの頃は好きだったな」と思い出したことを、もう一度少し触ってみる。
そこから、今の自分に合った新しい楽しみが見つかることもあります。
「何をすれば楽しいか」を考えることから始めていい
予定がない日が増えたとき、最初に「何をしなければならないか」を考える必要はありません。
むしろ、
「自分は何をしているときが楽しいんだろう」
と考えてみる。
これでいいと思います。
すぐに答えが出なくても構いません。
昔好きだったことを書き出してみる。
最近少し気になったことを書いてみる。
誰かと話していて面白いと思ったことを思い出してみる。
そんなところから始めてもいいでしょう。
「やりたいことがない」のではなく、これまで仕事や家庭のことを優先してきたために、自分の「好き」を考える時間がなかっただけかもしれません。
一日の中に「仕事」「人」「楽しみ」を少しずつ置いてみる
私は、一日の中に何か一つだけ大きな予定を入れる必要はないと思っています。
例えば、
午前中は仕事をする。
午後は誰かに会う。
その帰りに本屋へ寄る。
夕方は家で好きなことをする。
そんな小さな組み立てでもいい。
仕事がない日なら、朝に少し歩いてみる。
昼から興味のある場所へ出かける。
帰ってきて、ゆっくり本を読む。
大切なのは、予定をたくさん詰め込むことではありません。
「今日はこれをしよう」と、自分で一日を選ぶこと。
それだけでも、予定のない日は「暇な日」から「自分で使える日」に変わります。
生活リズムが崩れてしまったときには、起きる時間や一日の流れを見直すことも一つの方法です。
定年後に生活リズムが乱れたら|70代から見直したい一日の時間の使い方
一日の時間を自分で組み立てるという意味では、朝の過ごし方も大きなポイントになります。
スマホに一日を決めてもらわない
もう一つ、人生後半の時間を考えるときに気をつけたいことがあります。
それは、予定がない時間を、スマホだけで埋めてしまわないことです。
「ちょっと見るだけ」のつもりが、気づけばかなりの時間が過ぎている。
通知が来るたびにスマホを確認する。
何となく情報を見続ける。
これでは、せっかく自由になった時間を、自分で使っているとは言いにくいかもしれません。
スマホを使わないという意味ではありません。
便利なものは便利に使えばいい。
ただ、情報を受け取る時間も、自分で選ぶ。
そういう意識は持っていたいと思います。
スマホの通知を減らすことも、自分の時間を取り戻す一つの方法です。
スマホの通知が多すぎて疲れたら|人生後半の情報量を減らす整理術
人生後半は「予定のない日」から始まることもある
「予定がない」というと、何となく寂しい感じがするかもしれません。
でも、見方を変えれば、それは誰かに決められていない時間です。
これまで仕事のために使っていた時間を、これからは自分のために使っていい。
新しいことを始めてもいい。
昔好きだったことを、もう一度やってもいい。
人に会いに行ってもいい。
一人でゆっくりしてもいい。
何をするか決めずに、その日の気分で過ごしてもいい。
大切なのは、「予定がないから何もしない」と決めてしまうことではなく、
「自分は何をすると楽しいのか」を考え続けることなのだと思います。
私自身も、仕事の時間が以前より少し変わってきたからこそ、空いた時間をどう使うかを考えるようになりました。
新しいことを始めるのもいい。
昔やっていたことを、もう一度やってみるのもいい。
誰かと会うのもいい。
何より、外へ出て、人や社会と接点を持つことは、人生後半の時間を生き生きさせてくれると思っています。
人生後半の自由は、予定がたくさんあることではありません。
「明日は何をしようかな」と、自分の楽しみを考えられること。
私は、それも人生後半の大きな自由の一つだと思っています。
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この記事を書いた人
70’spapa
43年間、整体の現場で多くの人生に寄り添う中で、 体だけではなく、心や暮らし、人とのつながりが人生を支えることを学んできました。
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