歩くことが楽しくなる体づくり|無理なく続く3つの習慣

「健康のために、もっと歩いたほうがいいですよ」

そう言われたことがある人は多いと思います。

確かに、歩くことは特別な道具を必要とせず、日常生活の中にも取り入れやすい運動です。

でも、私は長く整体の現場で体を見てきて、ひとつ感じることがあります。

「歩いたほうがいい」と分かっていても、歩くこと自体が楽しみになっていなければ、なかなか続かない。

だから人生後半の歩く習慣は、「何歩歩かなければ」という数字から始めなくてもいいと思っています。

今日は少し外へ出てみよう。

天気がいいから、いつもより少し遠回りしてみよう。

そんな気持ちになれることのほうが、長く続く習慣につながるのではないでしょうか。

歩くことは「運動」にしなくてもいい

ウォーキングという言葉を聞くと、専用の服を着て、決めた距離を歩く姿を想像する人もいるかもしれません。

もちろん、そうした歩き方を楽しむのもいいでしょう。

でも、歩くことはもっと身近なものです。

近所のスーパーまで歩く。

駅まで少し遠回りする。

庭やベランダの植物を見に行く。

近所を少し散歩する。

買い物の帰りに公園を回って帰る。

こうした日常の歩きも、立派な「歩く時間」です。

大切なのは、運動として頑張ることだけではありません。

「歩くことが生活の一部になっている」状態をつくることです。

歩くのが続かないのは、意志が弱いからではない

「ウォーキングを始めたけれど、三日坊主になってしまった」

そんな経験がある人もいるでしょう。

でも、それを「自分は意志が弱い」と考えなくてもいいと思います。

最初から頑張りすぎていることもあります。

毎日30分歩こう。

1日1万歩を目指そう。

雨の日でも続けよう。

こうして目標を高く設定すると、最初は張り切れても、体調や天候、用事などで一度休んだときに、そのまま途切れてしまうことがあります。

人生後半の習慣づくりでは、「頑張れる日」ではなく「普通の日にできること」を基準にしたほうがいいでしょう。

無理なく続く3つの習慣

1.歩く時間を決めすぎない

まずおすすめしたいのは、「毎日何時から何分歩く」と厳密に決めすぎないことです。

もちろん、決まった時間に歩くことが合っている人もいます。

ただ、生活には予定があります。

天気も変わります。

朝は元気でも、夕方になると疲れている日もあります。

そこで、最初から柔軟に考えておきます。

「今日は買い物のついでに少し歩こう」

「今日は天気がいいから遠回りしてみよう」

「今日は疲れているから短い距離だけにしよう」

これでもいいのです。

歩くことを「やらなければならない予定」にしすぎない。

それだけでも、気持ちはずいぶん軽くなります。

2.歩く先に小さな楽しみをつくる

歩くことそのものが目的でなくても構いません。

私は、こういう「ついで」の発想が人生後半には合っていると思っています。

少し歩いた先に好きなパン屋さんがある。

季節の花が咲いている道がある。

お気に入りの喫茶店がある。

近所に気になる公園がある。

そんな場所を一つ見つけておくのです。

すると、「健康のために歩く」から、「あそこまで行ってみよう」に変わります。

この違いは意外と大きいものです。

歩くことに目的や楽しみが加わると、外へ出るきっかけそのものが増えていきます。

3.歩きやすい体を先につくる

もう一つ大切なのが、歩くことだけを考えないことです。

歩くためには、足だけが働いているわけではありません。

立ち上がる。

体を支える。

体重を移動する。

足を前へ出す。

そしてまた体を支える。

こうした動きが繰り返されています。

だから、歩く習慣をつくる前に、普段の立ち方や座り方を見直してみるのも一つです。

前の記事でも触れたように、姿勢を整えることは、毎日の体の使い方を見直すきっかけになります。

「歩くために特別なトレーニングをしなければ」と考えるより、普段の生活の中で体を動かす機会を少し増やす。

そのほうが無理なく始められる人もいます。

「今日は少し歩けた」で十分な日もある

歩く習慣を始めると、歩数計やスマートフォンの記録が気になることがあります。

数字を見ること自体は悪くありません。

昨日より歩けた。

今日は少なかった。

一週間続いた。

そうした記録が励みになる人もいます。

ただ、数字が目的になりすぎると、少し注意が必要です。

「今日は目標に届かなかったから失敗」

そんなふうに考えてしまうと、歩くことが楽しくなくなってしまいます。

私は、人生後半の健康づくりでは、「できたか、できなかったか」だけで一日を評価しないことも大切だと思っています。

今日は少し歩いた。

外の空気を吸った。

近所の人と挨拶した。

それだけでも、その日の体と暮らしに小さな変化があります。

歩くことは、体だけの習慣ではない

歩くことの面白いところは、家の中だけでは得られないものがあることです。

季節の変化に気づく。

新しい店を見つける。

近所の人と顔を合わせる。

花が咲いていることに気づく。

久しぶりに歩いた道の景色が変わっていることを知る。

こうした小さな出来事も、外へ出て歩くからこそ生まれます。

特に人生後半になると、仕事をしていた頃と比べて、人と会う機会や外へ出る用事が減ることがあります。

だからこそ、歩くことを単なる運動ではなく、暮らしの中に外との接点をつくる時間として考えてみるのもいいでしょう。

歩きたくなる体は、毎日の小さな積み重ねから

ここまで読んで、「よし、明日から毎日1時間歩こう」と思わなくても大丈夫です。

むしろ、最初はもっと小さくていい。

玄関の外へ出てみる。

近所を少し歩いてみる。

買い物の帰りに遠回りする。

いつも車で行っていた場所へ、歩いて行ける日だけ歩いてみる。

そんなところから始めてみてください。

そして、歩いた後に「疲れた」だけではなく、「少し気持ちよかった」と感じられるなら、その感覚を大切にしてほしいと思います。

健康のために歩く。

それも大切です。

でも、その先にあるのは、もっと自由に出かけたり、好きな場所へ行ったり、人と会ったりするための体です。

歩ける体をつくることは、これからの時間を楽しむ選択肢を増やすことでもあります。

私はそう考えています。

今日からできる小さな一歩

最後に、歩く習慣を始める前に、こんなふうに考えてみてください。

「何歩歩けばいいか」ではなく、

「どこなら歩いてみたいだろう?」

「何分歩けばいいか」ではなく、

「歩いた先に何があれば楽しそうだろう?」

「続けられるだろうか」ではなく、

「明日もやってみたいと思えるくらいの量はどれくらいだろう?」

そんな問いから始めてみるのもいいと思います。

人生後半の体づくりは、若い頃と同じことをする必要はありません。以前の記事でも触れたように、若いころと同じつもりで動くことを見直すことも、これからの体との付き合い方を考えるきっかけになります。

今の自分に合う方法を見つける。

無理をしない。

楽しみながら続ける。

そして、体が整った先にある「やりたいこと」を大切にする。

歩くことは、そのための身近な一歩です。

明日は少しだけ遠回りしてみる。

そんな小さな選択から、歩くことが楽しみになる暮らしを始めてみませんか。

この記事は一般的な健康情報としてお届けしています。医療行為や診断を目的としたものではありません。強い痛み、不調、持病がある場合は、無理をせず医療機関や専門家にご相談ください。

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この記事を書いた人

70’spapa

43年間、整体の現場で多くの人生に寄り添う中で、 体だけではなく、心や暮らし、人とのつながりが人生を支えることを学んできました。

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